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四葉のクローバー

毎日通る道の端にクローバーが生えていた。

ある日、その中に四葉のクローバーを私は見つけた。

私は、その四葉のクローバーを摘み、押し花にしようかと思ったが、
命あるものを摘み取ることはかわいそうと思い、そのままにした。

その日から、不思議だけれど、寂しかった毎日は楽しい日々と変わった。

毎日、毎日、私はその道を通るたびに、その四葉のクローバーを見つめた。

この四葉のクローバーが、幸せを運んできてくれたのだろうと思った。

四葉のクローバーを見るたびに、私にはどんどん元気がでてきた。



しかし、ある日、幸せを呼ぶという鈴を、友達に呼び出されて、市場に買いに行った。

これで、私は四葉のクローバーと、鈴の両方のご利益があると思っていた。

しかし、次の日、道端に四葉のクローバーはなかった。

理由はわからないけど、四葉のクローバーはきえてしまった。

どうしたんだろう?

不安になった。



その日の晩、四葉のクローバーの精の友人という一人の女性が私の部屋を訪ねてきた。

「幸せはひとつしかないんです。2つの幸せは同時に手に入れることができません。

 あなたは、市場で手に入れた鈴の幸せを選んだのです。

 四葉のクローバーは、選んでもらえなかった悲しみで、貴方の元を去りました。」

「四葉のクローバーは怒ってましたか?」

「いいえ。怒っていませんでしたよ。ただ、悲しんでいただけです。」


その次の日、クローバーが生えていた道端には、もう1本もクローバーもありませんでした。
もう、クローバーをいくら探しても、ありませんでした。

いくらクローバーの精を呼んでも、返事もありませんでした。


それから

私は、大切なものを手放したくなかったら、大事にしようと心に決めました。

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