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ある掲示板の記事から

ある掲示板の記事にこんなのが書かれていた。

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異性の親友が結婚することになった




1 投稿日:2010/09/07 01:40:03

「彼に…プロポーズされたんだ」
都内の居酒屋のカウンター席。お酒を一口つけた後、Mはぼそりと言った。


僕は素直に「おめでとう、嬉しいことじゃない」と答えたが、彼女の口からは不安や戸惑が滝のように流れてくる。
「仕事を初めてまだ2,3年しか経ってないのに辞めることになるかもしれないのは…」とか
「彼のことは好きだけど、不満は沢山あるし、踏み切る勇気がない」とか
「せっかく若いのにぜんぜん遊べていない気がする」とか。
終いにはこんなことまで言い出した。
「私、浮気がしたい。」




Mとの出会いは大学1年生の春。
サークルが一緒だったという繋がりから
マンガ・音楽など趣味の話で盛り上がり、いつの間にかいつも一緒にいる仲になった。
授業中メールのやり取りもした。お互いのブログにコメントを残しまくった。
メッセンジャーで夜を徹して語り合った。
非リアだった自分にとっては初めての女の子の友達だった。


ある時サークルの練習帰りの時に彼女はボソリと言った。「彼氏ができたんだ」と。
Mは仲良くしている男友達に純粋に喜んでもらいたかったに違いない。
うれしそうに惚気ようとするMに向かって僕は無意識につぶやいていた。
「なんか…悔しいな」と。
そこからお互い気まずくなって会話することが減っていった。
Mは授業が忙しくなったりで練習の参加率も減っていく。


せっかく仲良かったのに…と残念がっていたそんな時、
サークル内でMに対しての陰口が始まった。
練習になかなか来ないMに対してメンバーが文句を言ってるうちに
それがだんだん性格をけなすようなものになっていってしまった。
極端ないじめというようなものではなかったが、気の弱いMの心を傷つけるには十分すぎるものだった。
僕は無我夢中でMの味方をした。
文句が終息するのには時間がかかったけれども、
このイベントがきっかけで僕らはまたこれまでのように仲良くなる。




あれから4年。
大学を卒業して当時の友達もどんどん会わなくなり、人間関係が少しずつ狭まっていく中
Mとは今でも数カ月に1度は2人で飲む様になっていた。
馬鹿な話をしたり、他人の恋路の噂話をしたり。
適当な事を楽しく話していたそんな中出てきたMの結婚話。
心の底に複雑な気持ちを抱えながらもそれを隠すように笑顔で励ます。


居酒屋を出ると家路につくサラリーマンも殆どもういなく、
高層ビルの夜景が夏の夜を一際輝かせる。
電車に乗って帰ろうとするMを気づいた時には僕は引き止めていた。
「少し2人で外歩こうよ」


さっきまで「明日早いから…」とさっさと帰ろうとしていたMだが
文句の一つもなく僕についてきた。
そっからは本当にたわいもない話をしながら歩いた。
歩きながらたまに触れ合う手の甲がくすぐったい。
夜のビル街を歩きながらもMは言った。
「私と浮気してくれる人なんていないのかな…」と。
この段階でなんとなく感じるものはもうあったが、僕は何も言わずただその愚痴を聞きながら笑うだけだった。
特に何かをするわけでもなく、蛍の光が館内に響く中を2人でのんびり歩く。
「これでいいんだ、これでいいんだ」と言い聞かせながら。


しかし今はとてつもなく後悔している。
「僕と浮気しよう」と言ってMの手を握ってやればよかった。
そのままどっか遠いところに連れ去ってしまってもよかった。
ずっと友達でいようと心に決めたはずなのに、今になって出てくるのは後悔の念ばかり。
本当にチキンなんだな…と心の底から実感した。


帰りの電車の中でメールを受信する。
「君に幸ありますように」
少しだけ泣きそうになりながら僕も返信。
「彼と末永くお幸せに」



家に向かう終電の中、Mの大好きだと言っていたスピッツの「アパート」を聴きながら家に向かう。
ああ、恋をしていたのは僕の方だったんだなと思い返しながら。

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これが、男女間の友情というものなの?
吐き気がするよ。

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