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いやだな〜、こわいなぁ〜

 

いやだなぁ〜、こわいなぁ〜。

あるところに、いい歳になるまで独身の男がいました。
彼は、早くに両親もなくし、天涯孤独でした。

そんなぁ男が、歳をとってから、美人で評判のお嫁さんをもらいました。
歳の離れたお嫁さんだから、うれしくって仕方がない。
身寄りもないものだから、このお嫁さんのお母さんも引き取って、3人で暮らし始めました。

ところが、なかなか子供ができない。
どうしたものかなぁ〜なんて、気にしておりましたが、
ようやく結婚4年目にして待望の男の子が生まれたのです。

ところが、この男の子、生まれてから一度も声を発しなかったのです。
最初のうちは、いつか話すだろうと思って、気にも留めなかったのですが、
男の子が2歳になるころになると、さすが気になりだした。

そこで、ある夜のこと、気になった男は、酒によって、息子にからんだのです。
「なんか、いえよ。ほら」ってな感じで。
すると、男の子は泣きながらに「お母さん」といったのです。
男は喜びました。

しかし、このときから悲劇が始まったのです。

なんと、次の日、美人の嫁が階段から落ちて死にました。

それから、1年が過ぎました。
男の子は、あの日、お母さんと言ってから、また一言もしゃべっていなかったのです。

そこで、また、気になった男は、酒によって、息子にからんだのです。
「なんか、いえよ。ほら」ってな感じで。
すると、男の子は泣きながらに「おばあちゃん」といったのです。
男は喜びました。

しかし、次の日、また嫁の母親がまた階段から落ちて死にました。

さすがに、男も気づきました。
息子に呼ばれたら、階段から落ちて死ぬのです。

絶対に、息子にお父さんと呼ばせではいけないのです。

男は、びくびく、過ごしました。
しかし、息子は一切またしゃべらないのです。

ほっとする一方。
やはり男は、いつか訪れるお父さんと呼ばれる日を想像するだけで震え上がります。

そこで、男は覚悟を決めて、息子に名前を呼ばれる前に、息子を殺すことにしました。
深夜、息子が寝てから、息子の首に手をかけました。
すると、男の子は息を引き取る直前に、かすれ声で「お父さん」といってしまいました。

男はおびえました。
とにかく、翌日、男は階段に近づかないようにしました。


しかし、その甲斐もむなしく、次の日、案の定。

となりの家のだんなが階段から落ちて、死んでしまいました。

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